機関紙 ひと・まち no .22
フィンランドの障がい児保育 個人の自立を支える福祉国家
(福祉ツアーに参加して)松浦 恵理子 |
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「ゆりかごから墓場まで」といいますが、北欧では妊娠が分かったときからケアがスタートします。自治分権がすすんだフィンランドでは包括補助金制度によって、自治体の裁量で自由に使途を決めることができますが、私たちが訪問したヘルシンキの健康医療センターでも赤ちゃんを迎えるための両親に向けた独自のプログラムに取り組んでいました。出生後の子どもには「子ども手帳」が発行され子どもの健康管理をトータルに行っています。障がいがあると分かった子どもには、個別のフォローがされ、入園にあたっては、各機関からの情報提供がされ、子どもの状況をみてどの保育園がその子に最適なのかを親と園長が話し合いクラスを決めます。ヘルシンキ市内には、重度障がい児のための保育園が3園あり、その一つ、東ヘルシンキ地区にあるPaivakoti
Laakavuori 、ラーカヴォリ・パイヴァコティ保育園を訪問しました。 一人一人の障がい児の到達目標を持った保育
障がい児のためのクラスには、統合グループと重度のグループがあります。統合グループは、比較的軽度の障がいがある子どもで、他の健常児と一緒のほうがよい影響があるだろうと考えられる子どもが入ります。コミュニケーションのとりにくい重度の子どもは少人数の別のクラスが用意されています。いずれも一人ひとりの障がいによって適切な補助器具が用意され、各自の到達目標を持って専門性を持った保育士が対応します。コミュニケーションがとりにくい子どものためには絵や道具によって今日のプログラムが理解できるように配慮されています。 クラスは一緒でなくても同じ保育園にいることで交流があり、健常児にとってもそれをあたり前のこととして受け入れることができるようになります。
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