去る3月13日、特定非営利活動法人としての第8回総会を実施しました。2008年度は積極的に第三者評価事業を行い、経営的に安定した年度とすることができました。2009年度はさらに事業の充実を図り、事務局スタッフの法定福利厚生制度の導入をすすめます。
1.第三者評価事業
評価室では新たな評価者7名を加え、第三者評価の依頼を積極的に受託し、グルーホーム11か所、特養5ヶ所、デイサービス5ヶ所の他、地域密着型事業所、乳児院、療護施設など、ひと・まち社として初めて評価を実施する業種を含め、30事業所の第三者評価を受けると共に、利用者に対する調査についても認可保育園を中心に受託実施しました。
2009年度は評価者の内部研修の充実を図り、評価者の理念の共有を図るとともに、より積極的に第三者評価を受託し、利用者の視点を大切にした第三者評価に取り組んでいきます。
2.高齢者住宅の評価
コミュニティネットワーク協会の委託事業では、独自に関発した有料老人ホームの事業評価の手法をさらに充実させ、独自の認定(評価)のしくみを設計しました。2009年度はこれに基づきコミュニティネットワーク協会会員の有料老人ホームを中心とした高齢者住宅の調査活動を行います。
3.介護保険制度に関する調査研究
『介護予防と自立支援に関する実態調査』は第3回調査を実施し、106人の利用者の継続データを分析し、46自治体の調査、58か所の地域包括支援センターのヒアリング調査を行いました。2009年度はさらに研究会を行い、3ヶ年の調査全体をまとめていきます。
4.まちづくり事業
(有)市民調査会からの委託で「どこで子どもを産みますか?」のアンケートの入力・集計を行いました。
NPO支援の活動としては21世紀の環境共生鉄道の創造をテーマに中央線沿線地域に潤いを与えるまちづくりとそのネットワークづくりをすすめる『グリーンネックレス』の会計事務を受託しました。
また、高次脳機能障害者の支援を目的とする『VIVID(ヴィヴィ)』の立ち上げ支援を継続しました。VIVIDは新宿区の協働事業提案に採択され、高次脳機能障害者の生活サポート事業として、新宿区でのミニデイサービス・相談・セミナーを企画しています。
また、港区指定管理者候補選考委員を引き受け、港南健康福祉館の指定管理者の公募要綱・選考基準の検討、審査を行いました。
5.10周年記念事業
任意団体としてひと・まち社がスタートしてから10年が経過しました。これまでの活動の一つの区切りとして、2009年度は10周年行事企画実行委員会を立ち上げ、具体的な企画を検討、実施していきます。
6.代表理事の交代
また、総会終了後、2009年度第1回理事会を開催し、大河原雅子に代わり、新代表理事に工藤春代を選任しました。今後とも皆様のご支援をお願いいたします。
「市民シンクタンクひと・まち社」設立から10年
「市民シンクタンクひと・まち社」は、市民参加型まちづくりを実現することを目標として活動を始め、02年にNPO法人となりました。現在は第三者評価機関として事業性を高めるなど福祉に特化したNPOとして活動を積み上げてきました。昨年度は公募による介護支援専門員の評価者が加わり、生活クラブ運動グループとの連携による調査活動も継続するなど事業の幅が拡大しています。この間の活動は、単なる「調査」や「評価」にとどまらず、介護保険などの社会保障制度全体に対し、市民側の視点に立った政策の方向性が見出せるなど「ひと・まち」らしさを確認するものとなりました。また、今年度初めて、事務局機能の強化として社会保障に取り組み、NPOとして継続した活動を保証するための仕組みに一歩近づけます。今後は生活に根ざした「ひと・まち」らしさを強みとして市民シンクタンク機能を充実させながら事業性を高めていきたいと思っています。これからもみなさまと共に歩んでいきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
新代表理事 工藤春代
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