特定非営利活動法人 ひと・まち社

特定非営利活動法人ひと・まち社~市民シンクタンク~東京福祉サービス評価推進機構認証評価期間



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[2003.9.13] 2003年度介護保険制度検証のための基礎調査報告会を開催

制度改正を前に  介護保険は使いやすくなったか?

主催 生活クラブ運動グループ福祉協議会 / NPO法人 ひと・まち社

 介護保険制度が導入されて4年目を迎え、今年4月から介護報酬の改正が行 われ、各自治体でも介護保険計画の見直しが行われました。東京都では認定機関による第3者評価システムをスタートさせましたが、利用者のサービス選択に資 する情報というより、事業者サイドのものといえます。
 生活クラブ運動グループとひと・まち社が実施している基礎調査も最終年度となり、すでに8回の調査を終えました。これまでの調査から見えてきた問題点を整理し、制度改正に向けて利用者の視点での提案書にまとめ、国、都、各自治体に対して提出しました。
 今回のシンポジウムでは、利用者からの声を出してもらいながら、制度改正に向けて必要とされることを改めて確認し、よりよい介護保険制度に変えていくために利用者と事業者と行政担当の方々と改善に向けて検討する場としてシンポジウムを開催しました。

  • プログラム
    1.第7回・8回調査報告

    池田 敦子 氏(市民シンクタンクひと・まち社代表)

  • 2.シンポジウム

    ・コーディネーター
    高砂 裕子さん(NPO神奈川県介護支援専門員協会理事)
    ・パネラー
    貝谷 伸 さん(厚生労働省老健局介護保険課長)
    北村陽子さん(NPO・ACTたま居宅介護支援事業所管理者)
    利用者の立場から
    松原芳江さん・平田郁子さん・杉本依子さん

  • 報告

     今回のシンポジウムは利用者側からの報告者として松原さん、調査員の平田さん、杉本さんから、ショートステイでの床ずれや痴呆の悪化など介護の質の問題、夜中に30分に1度は痰の吸引が必要な利用者の医療行為の社会化の問題、通院や通所のためのみではなくいつでもどこへでも行きたいところに出かけられる移動を保障するしくみなどの問題提起がありました。また、ACT居宅介護支援事業所の北村さんは介護報酬の改定に伴うケアマネジャーの負担増の改善と、本当に介護が必要な人が必要なだけサービスを受けられるようにする制度の改革を訴えた。  これを受けて、厚生労働省保険局保険課長の貝谷伸さん(前老健局介護保険課長)から、介護保険制度の改正に向けて社会保障審議会介護保険部会での論点が報告された。重点として挙がっていることは、1.可能な限り在宅で暮らすために、365日24時間切れ目のないサービスを提供し在宅介護の負担を軽減する受け皿として、地域に小規模多機能サービスの拠点を多数整備する。2.収容が最大のサービスだった施設で人間の尊厳を支えるケアを確立するために、痴呆の程度にきめ細かく対応できる通所介護、ユニットケアの普及を計る。3.自立生活に向けたサービス提供のための「高齢者リハビリテーション研究会」の設置などである。要介護認定者は3年間で130万人増、居宅サービスの利用者は100万人増、施設サービスの利用者は20万人増と急増している。将来に渡ってサービスの質と量を確保し続けるためには、財源の問題が大きく、今後被保険者を20歳にすることなどが検討課題に指摘されている。  このシンポジウムのコーディネーター高砂裕子さん(看護師、ケアマネジャー)は、在宅における医療行為のうちALSの痰の吸引をヘルパーでもできるように看護師の側で決断した事は介護の新しい流れをつくる画期的な決定だが、責任の所在が明確になっていない現状を解決する必要があることを指摘された。  介護保険は2005年改正を経てもっと使いやすく質の高いものになって行く必要がある。そのための費用を誰がどのように負担するのかが大きな課題として横たわっている。私たち利用者もこの議論に加わっていきたいと感じる報告会だった。(池田敦子)

  • 介護保険基礎調査報告書4ができました。
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