介護予防・自立支援に関する高齢者実態調査
3年間の調査報告書
これまでの経過と調査の概要
2000年に介護保険サービスが導入され、それまで家族の仕事であった介護の社会化がすすめられてきた。その後、2回の介護給付の見直しを経て、2006年から介護予防制度が導入された。しかし、介護予防の導入にあたっては、要支援のケアプラン作成は地域包括支援センターが担当することとなっていたため、ケアマネ難民が出るのではないかとか、今まで使っていたサービスが使えなくなるのではないかなど利用者からは不安の声が寄せられていた。
そこで、介護予防制度の検証をはかるため、介護予防の対象となると予想される旧来の要支援、および要介護1の介護サービス利用者を対象に調査を実施することとし、身体状況の変化、介護度の変化、介護保険および保険外で利用しているサービス、自立生活を送る上でほしいと思うサービス、困っていることなどの調査を3年間の継続調査として行うと同時に、自治体、地域包括支援センターの調査、第2回調査では事業者の調査も併せて行った。
① 介護保険制度を利用する100人の対象者に対し、3年間3回の継続調査を行うことで、新たに導入される「介護予防」の制度によって自治体がどのようなサービスを提供し、在宅での高齢者の生活がどのように変化するのかを検証する。
② できるだけ長く自分でできることを維持するための介護予防にはどのような支援を必要としているか、その実態を調査する。
③ 政策提案と地域の市民が作り出す地域福祉の活動を展開するために調査結果を活用する。
東京都内在住の新予防給付対象となる可能性のある要支援、要介護1の介護保険制度の利用者100~150人、各自治体で3~5人程度を対象者とする。
さらに、意思あるメンバーのいる3自治体では対象者を30人くらいに広げて調査を実施し、自治体の特徴を分析する。
自治体調査は東京都23区、26市、1町とする。
調査員による対面、聞き取りを基本とした定点への継続調査とする。
2006年6月~2008年の3年間。 | |
第1回:2006年6月 | 利用者調査(現況調査)、自治体調査 |
第2回:2007年5月 | 利用者調査(新予防給付導入による認定移行とサービス利用調査) |
自治体調査、事業者調査、地域包括支援センター調査 | |
第3回:2008年5月 | 利用者調査(サービス利用内容と生活の変化) |
自治体調査、地域包括支援センター調査 |
① 介護予防の導入による介護度の変化とサービスの利用、生活の変化を調査する。
② 自治体介護予防メニューの調査。
③ 利用者のニーズと公的なしくみとして整備するべきことの調査。
① 第1回調査 利用者調査 | 162人 |
自治体調査 49自治体(文京区無回答) | |
② 第2回調査 利用者調査 | 137人 |
自治体調査 49自治体(千代田区無回答) | |
地域包括支援センター調査 60か所(46自治体) | |
事業者調査 38事業所 | |
③ 第3回調査 利用者調査 | 106人 |
自治体調査 46自治体(新宿区・墨田区無回答 八王子市・東村山市実施せず) |
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地域包括支援センター調査 59か所(40自治体) |
1.介護予防・自立支援に関する高齢者実態調査第1回調査報告書 2007年3月31日発行 |
2.介護予防・自立支援に関する高齢者実態調査第2回調査報告書 2008年5月31日発行 |
3.介護予防・自立支援に関する高齢者実態調査第3回調査報告書 2009年3月31日発行 |
4.介護予防・自立支援に関する高齢者実態調査最終報告書(3年間の調査報告)2010年1月1日発行 |